「フィアット500は壊れやすい」は嘘?本当?故障の噂と後悔しない中古車選びのポイントを徹底解説

フィアット500は壊れやすい?故障の多い箇所と後悔しない維持費

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フィアットは壊れやすい」「故障が多いのでは?」…そんなインターネット上の噂や口コミを目にして、憧れのフィアット購入に一歩踏み出せないでいる方も多いのではないでしょうか。

特に、ヤフー知恵袋などのQ&Aサイトを覗けば、フィアット独自のセミオートマであるデュアロジックのミッショントラブル、さらにはエアコン、パワステ、キーレスエントリーやドアロックといった快適装備の箇所に至るまで、様々な故障事例が語られています。

また、前期モデルと後期モデルで故障率にどれほどの違いがあるのか、個性的なツインエアエンジンや力強いディーゼルエンジンの信頼性、そして500Xやデュカトといった他のモデルの耐久性など、知りたい情報は山積みでしょう。

突然メーターに表示される故障コードや、ワイパー、ソフトトップ、ヘッドライトウォッシャーといった細かい部分の不具合まで、オーナーのリアルな声は時に不安を煽ります。

この記事では、「フィアットは本当に故障しないのか、それともやはり壊れやすいのか」という核心に迫ります。具体的なトラブル事例から、その原因と対策、賢い維持費の考え方まで、あなたの疑問と不安を解消するために、専門的な視点から徹底的に解説していきます。

記事のポイント

  • フィアットが「壊れやすい」と言われる具体的な理由
  • モデル別(500、500Xなど)や年式で特に注意すべき故障箇所
  • デュアロジックのトラブル原因と具体的な対策
  • 中古車選びで後悔しないための賢い維持費の考え方

壊れやすい?フィアット500、故障が多い噂と維持費

壊れやすい?フィアット500、故障が多い噂と維持費

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  • 知恵袋で聞く故障が多いという噂
  • フィアット500のトラブル箇所
  • デュアロジックの故障率とミッションの注意点
  • MTやDCT、オートマとクラッチのトラブル
  • エアコンやパワステ、キーレス、ドアロックの故障

知恵袋で聞く故障が多いという噂

インターネットで「フィアット 故障」と検索すると、必ずと言っていいほどヤフー知恵袋をはじめとするQ&Aサイトの投稿がヒットします。「フィアット500の購入を考えていますが、やはり故障は多いのでしょうか?」という定番の質問には、今もなお多くの回答が寄せられ、その内容はまさに賛否両論です。

否定的な意見としては、「納車後すぐにエンジン警告灯が点灯した」「デュアロジックの不調で修理に30万円かかった」「オイル漏れがひどい」といった具体的なトラブル報告が目立ちます。

一方で、肯定的な意見も数多くあり、「10万kmノントラブルで乗れている」「定期的なメンテナンスさえすれば快調」「このデザインと楽しさの前では小さな故障は気にならない」といった声も聞かれます。このように、オーナーの経験によって評価が大きく分かれるのがフィアット車の特徴とも言えるでしょう。

なぜネガティブな情報が目立つのか?

一般的に、製品やサービスに対する不満やトラブルといったネガティブな体験は、満足しているというポジティブな体験よりも、口コミとして発信されやすい傾向があります。問題なく快適に乗っている大多数のオーナーは、わざわざ「故障しません」と発信しないため、結果としてインターネット上ではトラブル報告が目立ってしまうのです。

また、このような噂が広まる根本的な原因には、日本車と欧州車の「車に対する思想」の違いが存在します。

日本車は、長期間大きなメンテナンスをしなくても性能を維持できる「メンテナンスフリー」を追求して開発されています。対して欧州車、特にフィアットのようなラテン車は、車を「機械」や「パートナー」として捉え、定期的な点検や消耗品の交換をしながら、その性能やフィーリングを長く楽しむという文化が根底にあります。

この文化的な違いを理解せず、日本車と同じ感覚で維持しようとすると、思わぬ出費やトラブルに見舞われ、「やはり外車は壊れやすい」という結論に至ってしまうのです。言ってしまえば、噂は一面的な事実ではあるものの、それが全てではないという多角的な視点を持つことが重要です。

日本車と欧州車のメンテナンス文化の違いを対比した写真。左側は埃をかぶり放置されたセダン、右側では日本人オーナーが愛車のクラシックカーを愛情込めて磨いている

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フィアット500のトラブル箇所

フィアット500で発生する可能性のあるトラブルは、漠然としたものではなく、特定の箇所やシステムに集中する傾向があります。これからオーナーになる方や、中古車を検討している方は、これらの「ウィークポイント」を事前に把握しておくことが、安心してフィアットと付き合うための第一歩となります。

ここでは、特に報告が多いトラブル箇所を分類し、それぞれの概要を解説します。

代表的なトラブル箇所一覧

分類 具体的なトラブル箇所 主な症状 修理費用の目安
トランスミッション系 デュアロジック本体、アキュムレーター、各種センサー、クラッチ 変速ショック、ギア不動、警告灯点灯、異音 5万円~40万円
エンジン・電装系 オイル漏れ(ヘッドカバー等)、タイミングベルト、ECU、メーター、パワーウィンドウモーター エンジン不調、白煙、警告灯点灯、液晶の文字化け、窓の開閉不良 3万円~30万円
補器類・内外装 エアコンコンプレッサー、電動パワステユニット、ドアロックアクチュエーター、ダッシュボード等の樹脂パーツ 冷暖房の不調、ハンドルの急な重さ、施錠・解錠不良、内装のベタつき・ひび割れ 2万円~20万円

※修理費用はあくまで目安であり、修理工場や交換部品(新品・リビルト品・中古品)によって大きく変動します。

トラブル発生の主な要因

これらのトラブルの多くは、単なる初期不良ではなく、複数の要因が絡み合って発生します。特に大きな影響を与えているのが、「経年劣化」「日本特有の気候」です。

フィアットが設計・製造されるイタリアは、地中海性気候で年間を通して湿度が低いのが特徴です。一方、日本は四季があり、特に夏場は高温多湿となります。この湿気が、ECU(エンジン・コントロール・ユニット)などの精密な電子基板に悪影響を及ぼし、接触不良やショートを引き起こすことがあります。

また、エンジンルーム内の熱と湿気は、ゴム製のホースやブッシュ、配線の被覆などの劣化を早める原因ともなります。特に、ダッシュボードなど内外装に使われる樹脂パーツの表面がベタベタしてくる現象は、この加水分解による劣化の典型例です。

もちろん、全ての車両で同様のトラブルが起こるわけではありませんが、これらの弱点を理解し、購入時に重点的にチェックすることが賢明な判断と言えるでしょう。

加水分解により経年劣化した、フィアット500の黒いダッシュボード。表面がベタつき、細かなひび割れが見える

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デュアロジックの故障率とミッションの注意点

フィアットの故障を語る上で避けては通れないのが、ブランドの代名詞とも言えるセミオートマチックトランスミッション「デュアロジック(Dualogic)」です。この機構は、通常のAT(オートマチック)とは全く異なり、マニュアル車をベースにクラッチ操作とシフト操作を機械が代行してくれる、いわば「2ペダルのMT」です。

フィアットのデュアロジックトランスミッションの仕組みを解説する模式図。マニュアル車をベースに、アクチュエーターがクラッチとシフトを自動で操作する様子が描かれている。

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デュアロジックの仕組みと故障原因

デュアロジックの核心部は、油圧で作動するアクチュエーターです。これが人間の手足に代わってクラッチを繋いだり切ったり、ギアを切り替えたりしています。この仕組み自体は、F1などのレーシングカーにも採用される効率的なシステムですが、一般道、特に信号や渋滞でストップ&ゴーを繰り返す日本の交通環境では、アクチュエーターとクラッチに大きな負担がかかります。

故障の具体的な原因としては、以下のようなものが挙げられます。

  • デュアロジックオイルの劣化・汚れ: 作動油であるオイルが劣化すると、油圧が正常に伝わらなくなり、作動不良を引き起こします。
  • アキュムレーターの圧力低下: 油圧を蓄える蓄圧器(アキュムレーター)が劣化すると、必要な油圧を維持できなくなります。
  • 各種センサーの不具合: クラッチやシフトの位置を監視するセンサーが故障すると、ECUが正しい判断をできず、変速異常などを起こします。

要注意!デュアロジック故障のサイン

「ギアが1速から動かない」「N(ニュートラル)から抜けない」「警告音が鳴り響き、警告灯が点灯する」といった症状は、デュアロジック系のトラブルが疑われます。走行中にこれらの症状が発生すると非常に危険なため、前兆となる変速ショックの増大や異音を感じたら、すぐに点検を依頼してください。

デュアロジックの修理と延命策

万が一、デュアロジックが深刻な故障に見舞われた場合、ユニット一式の交換となり、費用は30万円~40万円に及ぶこともあります。しかし、適切な知識と乗り方で、そのリスクは大幅に軽減できます。

デュアロジックと賢く付き合うための「三か条」

  1. 定期的な専門メンテナンスを欠かさない:
    2年または2万kmごとのデュアロジックオイル交換は必須です。また、その際にテスター(診断機)を用いた「キャリブレーション(校正作業)」を行うことで、クラッチの摩耗状態に合わせた最適な設定を維持できます。
  2. 「機械をいたわる」運転を心がける:
    ATモードで走行中も、車が変速するタイミング(エンジン音の変化で察知できます)でアクセルを僅かに緩めることで、シフトショックが軽減され、クラッチへの負担を減らせます。これは、MT車でシフトアップする際にアクセルを戻すのと同じ理屈です。
  3. 無駄な半クラッチ状態を避ける:
    渋滞時のクリープ走行や、坂道でのブレーキペダル操作による停車は、半クラッチ状態を多用し、クラッチの摩耗を早めます。渋滞では前車との車間を少し空けて停止・発進を明確にし、坂道停車ではサイドブレーキを確実に使用しましょう。

デュアロジックは、確かにデリケートな機構です。しかし、それは欠陥ではなく「特性」です。この特性を理解し、愛情を持って接することで、ダイレクトで楽しい走りという最高の魅力で応えてくれるでしょう。

MTやDCT、オートマとクラッチのトラブル

フィアットには、デュアロジック以外にも様々なトランスミッションが搭載されています。これらの機構は、デュアロジックに比べるとトラブル報告は少ないものの、それぞれに知っておくべき特性と注意点があります。

MT(マニュアルトランスミッション)

アバルトモデルや一部の限定車に採用されるMTは、構造がシンプルでダイレクトな操作感が魅力です。機構としての信頼性は非常に高く、デュアロジックのような電子制御系のトラブルとは無縁です。ただし、中古車で注意すべきは、やはりクラッチの消耗度です。

前オーナーの運転の癖が大きく影響するため、購入前の試乗は必須で、クラッチペダルが妙に重い、繋がりが極端に手前または奥である、滑っている感覚がある、といった場合は、近いうちにクラッチ交換が必要になる可能性があります。費用は部品代と工賃を合わせて10万円~15万円程度を見ておくと安心です。

DCT(デュアルクラッチトランスミッション)

フィアット500XのFFモデルなどに採用されている6速DCTは、2組のクラッチを瞬時に切り替えることで、途切れのないスムーズな加速を実現します。

こちらも基本的には丈夫な機構ですが、乾式のクラッチを使用しているため、ごく低速での走行や渋滞路では、ギクシャクとした挙動を示すことがあります。これは故障ではなくDCTの構造的な特性ですが、気になる場合は専門店に相談してみるのも良いでしょう。

9速AT(オートマチックトランスミッション)

500Xの4WDモデルには、ZF社製の一般的なトルクコンバーター式9速ATが搭載されています。これは多くのメーカーで採用実績のある信頼性の高いユニットであり、デュアロジックのような特殊な操作やメンテナンスは必要ありません。

ただし、多段ATは内部構造が複雑なため、ATフルード(作動油)の管理が重要になります。メーカーは無交換をうたっている場合もありますが、長く良好なコンディションを保つためには、5万km~8万kmを目安に専門工場で圧送交換などの方法でフルードを交換することをお勧めします。

どのトランスミッションを選ぶかで、車のキャラクターや付き合い方が大きく変わります。ご自身の運転スタイルや使用環境に合ったものを選ぶことが、満足のいくフィアットライフを送るための重要なポイントですね。

エアコンやパワステ、キーレス、ドアロックの故障

走行性能に直接関わる部分以外でも、快適性や利便性を左右する装備の故障は、オーナーにとって悩みの種となり得ます。ここでは、特に報告例の多い補器類や電装系のトラブルについて掘り下げていきます。

夏のドライブを脅かす「エアコン」の故障

日本の夏において、エアコンの故障は死活問題です。「冷たい風が出ない」「風量が弱い」といった症状の主な原因は、冷媒ガスを圧縮するコンプレッサーの不具合です。コンプレッサー本体が故障すると、リビルト品(再生品)を使っても10万円以上の修理費用がかかることが珍しくありません。

また、ガス漏れや、室内ユニットであるエバポレーターの詰まり、風を送り出すブロアファンの故障なども原因として考えられます。中古車を確認する際は、エンジンをかけてA/CスイッチをONにし、冷風がしっかり出てくるか、異音はしないかを必ずチェックしましょう。

突然ハンドルが重くなる「パワステ」の故障

フィアット500の電動パワーステアリングには、駐車時などにハンドル操作を軽くする「CITYモード」という便利な機能が備わっています。しかし、この電動アシストを制御するパワステユニット本体や、関連するトルクセンサーが故障する事例が報告されています。

走行中に突然アシストが切れ、ハンドルが非常に重くなるため、パニックに陥る可能性もあり危険です。メーターにステアリング系の警告灯が点灯したら、ただちに点検が必要です。これもユニット交換となると高額な修理になります。

フィアット500のメーターパネルに点灯した、赤色の電動パワーステアリング警告灯のクローズアップ写真

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「CITYモードを多用すると故障しやすい」という噂もありますが、明確な因果関係は証明されていません。しかし、常にアシストを最大にしている状態は、モーターやユニットに負荷がかかり続けているとも考えられます。通常走行時はOFFにしておくのが無難かもしれません。

日々の利便性を損なう「キーレス・ドアロック」の不具合

日常的に使用するキーレスエントリーやドアロックのトラブルも、地味ながらストレスの溜まる故障です。「キーレスが反応しない」という場合、まずはキー側の電池切れを疑いますが、それでも改善しない場合は車両側の受信機やBCM(ボディコントロールモジュール)の不具合が考えられます。

また、特定のドアだけ施錠・解錠できない場合は、そのドア内部にあるドアロックアクチュエーターという部品の故障が濃厚です。これらの電装系の不具合は、原因特定に時間がかかる場合もあり、根気強い対応が求められます。


フィアット500は壊れやすい?多い故障と賢い維持費

フィアット500は壊れやすい?多い故障と賢い維持費

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  • 後期ツインエアのワイパー、ソフトトップ不具合
  • メーター故障とヘッドライトウォッシャーの警告
  • 500Xやデュカト、ディーゼルは故障しない?
  • フィアットが壊れやすいと言われた前期の評判

後期ツインエアのワイパー、ソフトトップ不具合

2016年1月に行われたマイナーチェンジを経て登場した後期モデルは、前期モデルと比較して信頼性が大きく向上したと言われています。実際に、このマイナーチェンジでは内外装のデザイン変更だけでなく、機関部品にも手が加えられました。

例えば、オルタネーター(発電機)やエアコンユニットに信頼性の高い日本製(デンソー製)部品が採用されるなど、品質向上のための努力が随所に見られます。

特に、フィアットの個性を象徴する「ツインエア」エンジンも、登場初期に比べると格段に熟成が進みました。この875ccの2気筒ターボエンジンは、独特の鼓動感とサウンドで多くのファンを魅了していますが、その一方でオイル管理が非常に重要です。

指定された規格のエンジンオイルを定期的に交換することが、本来の性能を維持し、トラブルを防ぐ上で不可欠です。

このように、「後期モデルは故障しない」という声が聞かれるほど信頼性は上がりましたが、それでもイタリア車らしい細かな注意点は残っています。

後期モデルでも発生しうるマイナートラブル

ワイパーのトラブル
フロントワイパーのモーターやアームの付け根部分の不具合は、後期モデルでも報告が見られます。特に、あまり使用頻度の高くないリアワイパーは、モーターが固着して動かなくなることがあります。洗車時などに定期的に作動させ、動きを確認する習慣をつけると良いでしょう。

ソフトトップ(500C)のメンテナンス
オープンモデルである500Cの電動ソフトトップは、非常に魅力的な装備ですが、メンテナンスフリーではありません。開閉時にゴミや砂が可動部のレールに噛み込むと、動きが渋くなったり、モーターに過大な負荷がかかって故障の原因になったりします。定期的にレール部分を清掃し、専用の潤滑剤を塗布するなどのケアが、長く快適に使うための秘訣です。

大きな故障のリスクは減ったものの、日頃からの小さな点検や清掃といった「愛車への気配り」が、コンディションを良好に保つ上で重要であることに変わりはありません。こうした手間を「楽しさ」と捉えられるかどうかが、フィアット乗りとしての資質かもしれません。

フィアット500Cのオープンカーのソフトトップを、日本人オーナーが布で丁寧に清掃し、メンテナンスしている様子

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メーター故障とヘッドライトウォッシャーの警告

フィアット500のインテリアを彩る、遊び心あふれるメーターパネル。しかし、この視覚的な楽しさの裏で、電装系ならではのトラブルが発生することもあります。また、見慣れない警告灯の点灯は、オーナーを不安にさせる代表的な出来事でしょう。

TFT液晶メーターの故障

後期モデルの上位グレードに採用されているTFTフルカラー液晶メーターは、非常に情報量が多く高機能ですが、経年により液晶表示に異常(ドット抜け、ちらつき、全く表示されなくなる等)が発生することがあります。

これはメーターユニット内部の基盤の問題であることが多く、根本的な解決にはユニット交換が必要となるケースがほとんどです。

走行距離などの重要情報が記録されているため、修理はディーラーや、メーター修理を専門に行う業者に依頼するのが一般的で、修理費用も高額になりがちなので、中古車選びの際は念入りに表示状態を確認しましょう。

突然の警告灯!故障コードの意味とは

エンジンチェックランプやエアバッグ警告灯など、メーター内に警告灯が点灯した場合、それは車両の自己診断システム(OBD)が何らかの異常を検知したことを示しています。これが「故障コード」としてECUに記録されます。

警告灯が点灯したらまず何をすべきか?

警告灯には色によって緊急度が示されています。赤色は「直ちに停車し、運転を中止すべき危険な状態」、黄色は「速やかに点検が必要な状態」を示します。たとえ走行に異常を感じなくても、警告灯を無視し続けるのは絶対に避けるべきです。

最悪の場合、より深刻な故障を引き起こし、高額な修理費用に繋がる可能性があります。速やかにディーラーや専門工場に連絡し、専用の診断機(テスター)で故障コードを読み取ってもらい、原因を特定することが最優先です。

意外な盲点?ヘッドライトウォッシャー

一部のモデルに装備されているヘッドライトウォッシャーは、普段あまり使う機会がないため、故障に気づきにくい部分です。しかし、ディスチャージヘッドランプ(HID)やLEDヘッドランプを装備する車両では、このウォッシャーが正常に作動することが保安基準(車検)で定められています。

「いざ車検を受けたらウォッシャーが動かず不合格に…」という事態を避けるためにも、ウォッシャー液を補充する際などに、定期的に噴射テストをしておくことをお勧めします。ポンプの故障やノズルの詰まりが主なトラブル原因です。

フィアット500のヘッドライトウォッシャーが作動し、ヘッドライトに向けて洗浄液を勢いよく噴射している瞬間のクローズアップ写真

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500Xやデュカト、ディーゼルは故障しない?

「フィアット」と一括りにされがちですが、そのラインナップは多岐にわたり、モデルによって成り立ちや得意とするステージが大きく異なります。それは、信頼性や故障のリスクにおいても同様です。

よりグローバルに。信頼性を増した「500X」

コンパクトSUVであるフィアット500Xは、同じステランティスグループのジープ・レネゲードとプラットフォームや主要コンポーネントを共有しています。これは、設計段階からグローバルな市場を意識して開発されたことを意味し、500(チンクエチェント)と比較して、信頼性や耐久性は格段に向上していると言えます。

特に、懸念されがちなトランスミッションも、一般的なトルクコンバーター式の9速ATや、広く使われている6速DCTを採用しており、デュアロジックのような特殊な知見を必要としません。

もちろん、工業製品である以上、故障がゼロではありません。初期モデルでは、独自のバルブ制御システムを持つ「マルチエア」エンジン関連の不調が報告されたこともありましたが、年々改良が重ねられ、現在では大きなウィークポイントとはなっていません。

質実剛健なプロの道具「デュカト」とディーゼルエンジン

ヨーロッパの商用バン市場で絶大なシェアを誇り、日本でもキャンピングカーのベース車両として人気のデュカト。この車は「プロの道具」として、日々の過酷な使用に耐えうる高い耐久性と信頼性を前提に設計されています。搭載されるディーゼルターボエンジンも、長年の実績に裏打ちされた非常にタフなユニットです。

ただし、ディーゼルエンジンならではの注意点もあります。粒子状物質を捕集するDPFは、定期的に高温で燃焼させて再生する必要があります。高速道路などを一定時間走行することで自動的に再生されますが、街乗りなどの短距離走行ばかりを繰り返すと、再生がうまくいかず警告灯が点灯したり、性能が低下したりすることがあります。

結論として、500Xやデュカトは、可愛らしい500のイメージとは異なり、非常に堅実で故障しにくいモデルと言えます。ただし、それぞれの車両の特性(500Xの電子制御の多さ、ディーゼルのメンテナンスサイクルなど)を理解し、適切な維持管理を行うことが、長く安心して乗り続けるための鍵となります。

フィアットのSUVモデルである500Xと、商用バン・デュカトが並んで駐車している。大きさや用途の違い、堅実なイメージが伝わる

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フィアットが壊れやすいと言われた前期の評判

現在でも多くの人々が抱く「フィアット=壊れやすい」というイメージ。そのルーツを辿ると、2008年のデビューから2015年頃まで生産された前期モデルの存在が大きいと言わざるを得ません。

この時代のフィアットが、なぜトラブルが多いと評価されてしまったのか。その背景には、複合的な要因が存在します。

前期モデルの主なウィークポイント

  • 未成熟だったデュアロジック:
    登場初期のデュアロジックは、制御プログラムや部品の耐久性がまだ発展途上であり、日本の渋滞環境下でトラブルが頻発しました。これが「フィアットのミッションは壊れる」というイメージを決定づけました。
  • 気候の違いへの対応不足:
    高温多湿な日本の夏は、イタリア本国での開発時には想定しきれなかった負荷を、ECUなどの電子部品や、エンジンルーム内のゴム・樹脂部品に与えました。結果として、原因不明の電装系トラブルや、部品の早期劣化が多発しました。
  • 整備環境の未整備:
    当時はまだ、デュアロジックのキャリブレーション(校正)を正しく行える診断機を持つディーラー以外の整備工場が少なく、適切なメンテナンスを受けられる環境が限られていました。知識不足のまま整備された結果、かえって不調を招いてしまうケースもありました。

これらの要因が重なり、「フィアットは手のかかる車」という評判が形成されていったのです。

歴史的背景からの考察

さらに視野を広げると、1970年代から80年代にかけて、日本車の品質と信頼性が世界的に見て驚異的な進化を遂げたという歴史があります。これにより、欧米の自動車メーカーは相対的に「壊れやすい」というレッテルを貼られることになりました。

特に、当時の輸入車は船便での輸送に時間がかかり、部品の供給にも日数を要したため、「一度壊れると、なかなか直らない」というイメージも定着しました。このような長年にわたる歴史的なイメージも、現在の評判に無意識のうちに影響を与えていると考えられます。

しかし、重要なのは、これらの問題点の多くは、絶え間ない改良によって後期モデルでは大幅に改善されているという事実です。現在では、専門知識を持つショップも増え、オーナー同士の情報交換も活発なため、前期モデルであっても、当時より格段に維持しやすい環境が整っています。

前期モデルを選ぶ際は、こうした歴史的背景を理解した上で、対策部品への交換履歴や、信頼できる工場での整備記録が揃っているかを、より一層慎重に確認する必要があります。

清潔な自動車整備工場で、専門知識を持つ日本人の整備士がフィアット500のエンジンルームを真剣な表情で点検・整備している

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フィアット500は壊れやすい?多い故障と維持費について総括

この記事のポイントをまとめます。 

「フィアットは壊れやすい」という評判は特に2015年以前の前期モデルの印象が強い

2016年以降の後期モデルは主要部品の改良により信頼性が大幅に向上している

最も注意すべきは「デュアロジック」という特殊なセミオートマのトラブル

デュアロジックオイルの定期交換とキャリブレーション(校正)は必須メンテナンス

坂道停車でのブレーキペダル保持など半クラッチを多用する運転は避ける

MTやDCT、9速ATはデュアロジックに比べトラブルのリスクは低い

エアコンコンプレッサーや電動パワステユニットの故障は高額修理に繋がりやすい

ダッシュボードなど内装樹脂パーツのベタつきは高温多湿な日本特有の劣化現象

後期モデルでもワイパーの固着やソフトトップの動作不良といったマイナートラブルは起こりうる

メーターに赤い警告灯が表示された場合は直ちに運転を中止し点検を受ける

SUVの500Xや商用車のデュカトは500より故障しにくい傾向にある

ディーゼルエンジンはDPFの再生のため定期的な高速走行が推奨される

中古車選びは何よりも整備記録が充実している個体を優先するべき

フィアットに精通した信頼できるディーラーや専門の整備工場をかかりつけ医に持つことが重要

特性を理解し適切なメンテナンスを行えばフィアットは最高のカーライフを提供してくれる

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