グランツアラーはなぜ安い?理由と中古車選びの完全ガイド

グランツアラーはなぜ安い?

ヤナセBMW公式

BMW 2シリーズ グランツアラーという選択肢に興味をお持ちで、「グランツアラーはなぜ安いのだろう?」と疑問に思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか。確かに、プレミアムブランドであるBMWの7人乗りモデルでありながら、中古車市場では比較的手頃な価格で見かけることがあります。この記事では、その理由を多角的に探っていきます。

グランツアラーは、一部で人気がないと言われることもありますが、それは必ずしも車の品質が低いことを意味するわけではありません。生産は終了?廃止されるといった噂や、グランツアラーの新型が登場しない可能性も価格に影響しているのかもしれません。

また、実際に乗ってる人の口コミ・評判を参考にしつつ、ガソリン・ディーゼルの燃費性能や中古車選びで失敗・後悔しないためのポイントも解説します。この記事を読み進めることで、グランツアラーの魅力と、なぜ安価で手に入るのか、その納得のいく答えが見つかるはずです。

記事のポイント

  • グランツアラーが安価で取引される主な理由
  • 車種の基本的な特徴、メリット・デメリット
  • 中古車選びで後悔しないための具体的な注意点
  • 実際に所有しているユーザーのリアルな評価と評判

グランツアラーはなぜ安い?基本情報と市場の評価

MOTA

  • 2シリーズ グランツアラーの概要
  • グランツアラー 新型の今後の情報
  • 生産は終了?廃止されるという噂
  • なぜ人気がないの?その背景とは
  • 乗ってる人の口コミ・評判を収集
  • 中古車価格と購入時のポイント

2シリーズ グランツアラーの概要

BMW 2シリーズ グランツアラーは、ドイツの自動車メーカーBMWが2015年6月から日本で販売を開始した、ブランド初となる3列シート7人乗りのMPV(マルチ・パーパス・ビークル)です。先にデビューした5ドアハッチバック「2シリーズ アクティブツアラー」をベースに、ホイールベースと全長を延長し、ルーフ高も上げることで7人乗りを実現しました。

このモデルの大きな特徴は、BMWでありながら前輪駆動(FF)レイアウトを採用している点です。ボディサイズは全長4565mm × 全幅1800mm × 全高1645mmと、国産の代表的なミニバンである日産セレナと比較すると、全長は約12cm短く、全幅は6.5cm広く、全高は22cm低い設計となっています。このサイズ感は、マツダのプレマシー(3代目)に近いと言えるでしょう。ミニバンとしてはややコンパクトながら、BMWらしいスタイリッシュなデザインと走行性能を求めるファミリー層をターゲットにしていました。

搭載されるエンジンは、ガソリンターボが2種類(1.5L直列3気筒の「218i」、2.0L直列4気筒の「220i」)、そして2.0L直列4気筒ディーゼルターボの「218d」の合計3種類が用意されました。新車時の価格帯は、おおむね400万円を超えるものが中心でした。BMWブランドのプレミアム感と実用性を兼ね備えた一台として、新たな顧客層の開拓を目指したモデルと言えます。

グランツアラー 新型の今後の情報

グランツアラー 新型の今後の情報

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

BMW 2シリーズ グランツアラーの新型モデルの登場を期待している方もいらっしゃるかもしれませんが、残念ながら現在のところ、グランツアラーの直接的な後継モデルや新型に関する公式な発表はありません。実際、多くの情報源でグランツアラーは現行モデルをもって生産を終了し、ラインナップから消えるとの見方が強まっています。

背景としては、市場のトレンドがSUVへと大きくシフトしていることや、BMWブランド内でのミニバンというカテゴリーの販売比率が他のモデルに比べて高くなかったことなどが考えられます。同じ2シリーズのMPVでも、5人乗りの「アクティブツアラー」はモデルチェンジを果たし新型が登場していますが、7人乗りのグランツアラーに関しては異なる判断が下されたようです。

このため、今後グランツアラーを新車で購入することは難しくなり、中古車市場でのみ入手可能なモデルとなる可能性が非常に高いです。新型が登場しないという事実は、中古車価格が比較的安価に推移する一因にもなっていると考えられます。最新の技術やデザインを求めるユーザーにとってはデメリットかもしれませんが、逆に言えば、完成度の高い最終モデルをお得に入手できるチャンスとも捉えることができます。

生産は終了?廃止されるという噂

前述の通り、BMW 2シリーズ グランツアラーが生産を終了し、ラインナップから廃止されるという噂は、残念ながら事実である可能性が高い状況です。複数の自動車関連メディアやユーザーレビューにおいて、グランツアラーは現行型が最後となり、次期モデルの開発は行われていないと報じられています。実際に、新車としての販売は徐々に縮小され、在庫限りとなっているディーラーも多いようです。

この背景には、世界的なSUV人気の高まりや、BMWのブランド戦略におけるMPVカテゴリーの位置づけの変化などが影響していると考えられます。BMWは伝統的に走行性能を重視したスポーティなモデルを得意としており、FFベースのMPVであるグランツアラーは、ブランドのコアな価値観とはやや異なるキャラクターを持っていたことも一因かもしれません。

生産終了は、グランツアラーの中古車市場における価格形成にも影響を与えています。一般的に、生産が終了したモデルは、時間の経過とともに希少価値が出る場合もありますが、一方で人気が限定的だったモデルの場合は、価格が下落しやすい傾向も見られます。グランツアラーの場合、後者の傾向が強く出ている可能性があり、これが「グランツアラーはなぜ安い」という疑問の一つの答えになっていると言えるでしょう。

なぜ人気がないの?その背景とは

グランツアラー なぜ人気がないの?

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BMW 2シリーズ グランツアラーが一部で「人気がない」と言われる背景には、いくつかの複合的な要因が考えられます。これが中古車価格が比較的安価であることの主要な理由の一つとされています。

まず、BMWというブランドイメージとの関連です。BMWは伝統的に「駆けぬける歓び」をスローガンに掲げ、スポーティなFR(後輪駆動)セダンやクーペのイメージが強いブランドです。そのため、FF(前輪駆動)ベースで実用性を重視した箱型のミニバンであるグランツアラーは、従来のBMWファンからはやや異質な存在と見なされることがありました。熱心なBMWファンほど、この種のモデルには手を出しにくいという側面があったかもしれません。

次に、ミニバン市場における競合の激しさです。日本のミニバン市場は、国産メーカーの牙城であり、使い勝手や価格、室内の広さなどで非常に競争力のあるモデルが多数存在します。グランツアラーは、BMWブランドという付加価値はあるものの、例えば3列目シートの広さやスライドドア非搭載といった点では、国産ミニバンに比べて実用面で見劣りすると感じるユーザーもいました。価格帯も国産ミニバンよりは高めであるため、純粋に実用性を求めるファミリー層にとっては、選びにくい選択肢だった可能性があります。

さらに、プレミアムブランドにおけるファミリーカーという位置づけの難しさも挙げられます。メルセデス・ベンツのBクラスなども同様の傾向が見られることがありますが、プレミアムブランドの価値は、スポーティさや高級感、ステータス性といった点に求められることが多く、スペース効率や多人数乗車を優先したモデルは、ブランドのコアなファン層からの支持を得にくい場合があります。

これらの理由から、グランツアラーは特定のニーズを持つ層には評価されるものの、幅広い層からの人気を獲得するには至らず、結果として中古車市場で比較的求めやすい価格帯になっていると考えられます。

乗ってる人の口コミ・評判を収集

グランツアラー 乗ってる人の口コミ・評判を収集

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BMW 2シリーズ グランツアラーを実際に所有している、あるいは試乗した経験のある方々の口コミや評判を見てみると、その評価は多岐にわたります。肯定的な意見と否定的な意見、それぞれに注目すべきポイントがあります。

肯定的な口コミ・評判

まず、肯定的な意見としては、BMWならではの走行性能を挙げる声が多く見られます。特にディーゼルエンジン搭載の「218d」は、トルクフルな加速感や高速道路での安定性が高く評価されており、「ミニバンとは思えない走りを楽しめる」「駆け抜ける喜びを感じられる」といったコメントが寄せられています。

また、FFレイアウトでありながら、しっかりとした足回りとボディ剛性により、コーナリング性能もBMWらしさを感じさせるとの声もあります。

エクステリアデザインに関しても、「スタイリッシュで国産ミニバンとは違う雰囲気がある」「BMWのエンブレムが所有欲を満たす」といった意見があり、デザイン性を重視する層からの支持が見受けられます。インテリアについても、質感の高さやアンビエントライトなど、プレミアムブランドらしい作り込みを評価する声があります。

否定的な口コミ・評判

一方で、否定的な意見としては、やはり3列目シートの狭さに関するものが目立ちます。「大人が乗るには窮屈」「あくまで緊急用」といった声が多く、7人乗りとしての実用性に疑問を持つユーザーもいるようです。また、後部ドアがスライド式ではなくヒンジ式である点も、小さな子供がいる家庭にとってはマイナスポイントとなることがあります。

故障に関する不安の声も一部で見られます。特に前期型モデルのトランスミッションに関するトラブル報告が散見され、修理費用が高額になるケースもあるようです。部品代が国産車に比べて高めであることも、維持費の面で懸念材料となることがあります。ディーゼルエンジン特有の音や振動を気にする声や、FFレイアウトであることへのネガティブな意見も一部には存在します。

このように、グランツアラーの口コミ・評判は、BMWブランドへの期待とミニバンとしての実用性のバランスをどう捉えるかによって、評価が分かれる傾向にあると言えるでしょう。

中古車価格と購入時のポイント

グランツアラー 中古車価格と購入時のポイント

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BMW 2シリーズ グランツアラーの中古車は、新車価格が400万円を超えるモデルであったことを考えると、比較的リーズナブルな価格帯で見つけることが可能です。特に初期のモデルや走行距離が多めの車両であれば、総額150万円程度から探すことも不可能ではありません。これは「グランツアラーはなぜ安い」という疑問に対する直接的な答えの一つと言えるでしょう。

中古車価格が手頃な理由としては、前述の通り、BMWブランドの中ではニッチなモデルであり、爆発的な人気を得るには至らなかったこと、そして生産終了の噂などが影響していると考えられます。しかし、これは見方を変えれば、BMWの3列シートMPVをお得に手に入れるチャンスとも言えます。

中古車を購入する際のポイントとしては、まずグレード選びが重要です。主に「218i」(1.5Lガソリンターボ)、「220i」(2.0Lガソリンターボ、流通量は少なめ)、そして「218d」(2.0Lディーゼルターボ)があります。

走行性能と燃費のバランスを重視するなら「218d」が人気ですが、車両価格はやや高めになる傾向があります。予算を抑えたい場合は「218i」も十分な選択肢となります。また、装備が充実した「ラグジュアリー」やスポーティな内外装の「Mスポーツ」といったモデルも存在します。

年式については、2018年6月にマイナーチェンジが行われており、それ以前が前期型、以後が後期型となります。デザインの変更や一部装備の更新がありますが、基本的な走行性能に大きな差はないとされています。

ただし、前期型の「218i」の一部でトランスミッションに関するトラブル事例が報告されているため、この点を懸念する場合は後期型や、対策が施されている可能性のある車両を選ぶか、信頼できる販売店で保証付きの車両を探すのが賢明です。

購入前には必ず試乗を行い、エンジンの調子やトランスミッションの動作、足回りの状態などを確認しましょう。また、過去の整備記録(メンテナンスノート)が残っているかどうかも、車両の状態を把握する上で重要な手がかりとなります。

グランツアラーはなぜ安い?詳細と購入時の注意点

グランツアラーはなぜ安い?詳細と購入時の注意点

ユニバース

  • ガソリン・ディーゼルの燃費比較
  • 購入で失敗 後悔しないために
  • 3列目シートの使い勝手を検証
  • 前期型と後期型の違いとは?
  • 結論:グランツアラーはなぜ安い

ガソリン・ディーゼルの燃費比較

BMW 2シリーズ グランツアラーを選ぶ際に、ガソリンモデルとディーゼルモデルのどちらが良いか、燃費性能は気になるポイントの一つです。それぞれのエンジンの特性と、ユーザーから報告されているおおよその燃費について見ていきましょう。

218i(1.5L 直列3気筒ガソリンターボ)

「218i」に搭載される1.5リッターのガソリンターボエンジンは、比較的小排気量ながら必要十分なパワーを発揮します。ユーザーレビューを参照すると、市街地走行での燃費はリッターあたり7km台後半から10km前後、高速道路など比較的スムーズな走行状況ではリッター13kmから、条件が良ければ20km/L近くまで伸びるという報告も見られます。

ただし、3気筒エンジン特有の振動や音を感じるという意見も一部にはあります。使用ガソリンはハイオク指定となるため、燃料代はレギュラーガソリンに比べて高くなる点も考慮が必要です。

218d(2.0L 直列4気筒ディーゼルターボ)

一方、「218d」に搭載される2.0リッターのディーゼルターボエンジンは、太いトルクによる力強い加速と、優れた燃費性能が魅力です。市街地走行ではリッター11kmから13km程度、高速道路ではリッター16kmから20kmを超える良好な数値を記録することが多いようです。

特に長距離移動が多い方にとっては、燃料コストの面で大きなメリットがあります。燃料が軽油であるため、ハイオクガソリンに比べて単価が安いのも魅力です。ただし、ディーゼルエンジン特有の音や振動はガソリン車に比べて大きめになる傾向があるため、この点は試乗などで確認しておくと良いでしょう。

燃費比較のまとめ

以下に、ユーザー報告に基づくおおよその燃費を表にまとめます。ただし、これらはあくまで目安であり、運転スタイルや走行条件によって大きく変動します。

グレード エンジン種類 推定燃費(市街地) 推定燃費(高速道路) 使用燃料
218i 1.5L 直3ガソリンターボ 7.6~10km/L 13~20km/L ハイオク
218d 2.0L 直4ディーゼルターボ 11~13km/L 16~23km/L 軽油

どちらのエンジンを選ぶかは、年間の走行距離、主な使用用途、そして燃料代や車両価格のバランスを考慮して判断することをおすすめします。

購入で失敗 後悔しないために

グランツアラー 購入で失敗 後悔しないために

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BMW 2シリーズ グランツアラーは、中古車として魅力的な価格で手に入る可能性がありますが、購入後に「失敗した」「後悔した」とならないためには、いくつかの注意点を押さえておくことが重要です。

まず、最も注意したいのは、やはり故障のリスクと修理費用です。輸入車全般に言えることですが、国産車と比較して部品代や工賃が高額になる傾向があります。グランツアラーの場合、特に前期型「218i」の一部でアイシン製6速オートマチックトランスミッションの不具合が報告されており、修理には高額な費用(場合によってはミッション交換で100万円以上)がかかるケースも散見されます。

このため、中古車を選ぶ際には、トランスミッションの状態を慎重に確認することが不可欠です。可能であれば、保証が充実している車両や、対策済みとされる後期型、あるいはディーゼルモデルの「218d」(8速AT搭載でトラブル報告は比較的少ない)を検討するのも一つの手です。

次に、3列目シートの実用性について、ご自身の家族構成や使い方と照らし合わせて冷静に判断する必要があります。前述の通り、グランツアラーの3列目は大人が快適に過ごせるほどの広さはなく、あくまで補助的なものと割り切る必要があります。

日常的に6人以上で乗車する機会が多い場合は、国産の大型ミニバンなどを検討した方が満足度が高いかもしれません。「BMWの7人乗り」という言葉だけに惹かれて購入すると、後で使い勝手に不満を感じる可能性があります。

また、BMWブランドに対する過度な期待も禁物です。グランツアラーはFFベースのMPVであり、伝統的なFRのBMWセダンやクーペとは走行フィールが異なります。もちろん、BMWらしいしっかりとした走り味は持っていますが、「ミニバン」としての性格も併せ持っていることを理解しておく必要があります。試乗を通じて、ご自身の好みに合うかどうかを確認することが大切です。

最後に、購入する販売店の選定も重要です。輸入中古車は車両の状態に個体差が大きいため、BMWの取り扱いに慣れている、あるいは整備体制が整っている信頼できる販売店を選ぶようにしましょう。納車前の点検整備内容や、購入後の保証内容もしっかりと確認し、不明な点は遠慮なく質問することが、後々のトラブルを避ける上で役立ちます。

3列目シートの使い勝手を検証

BMW 2シリーズ グランツアラーを検討する上で、多くの方が気になるのが3列目シートの使い勝手でしょう。結論から言うと、グランツアラーの3列目シートは、日常的に大人数で長距離移動をするためのものというよりは、あくまで「補助的」「緊急用」と捉えるのが適切です。

広さについて

グランツアラーは、全長4565mmと比較的小柄なボディサイズの中に3列7人分のシートを収めています。そのため、特に3列目シートのスペースには制約があります。大人の男性が座る場合、膝前スペースや頭上スペースはかなり窮屈に感じられるでしょう。短時間の移動であれば我慢できるかもしれませんが、長時間の乗車は厳しいと言わざるを得ません。

小学生くらいまでの子供であれば、ある程度は座っていられますが、それでも「広い」と感じることは少ないかもしれません。実際に「子供も正直、あまり長時間は座りたくないと思うかもしれない」といった声も聞かれます。

乗降性

3列目へのアクセスは、2列目シートを前方にスライドさせたり、背もたれを倒したりして行います。しかし、開口部が特別広いわけではないため、大人が乗り降りするには少し体をかがめる必要があり、スムーズとは言いにくい面があります。

シートアレンジとラゲッジスペース

一方で、グランツアラーのシートアレンジは工夫されています。3列目シートは、使用しない際には完全に床下に格納することができ、フラットで広大なラゲッジスペースを作り出すことが可能です。この状態での荷室容量は560Lと、2列シート車として見れば十分な広さを確保しています。さらに2列目シートのバックレストも倒せば、最大1820Lまで拡大します。

おすすめの考え方

これらの点を総合すると、グランツアラーの3列目シートは、「普段は広い荷室を持つ5人乗りワゴンとして使い、たまに近距離で6~7人乗る必要がある場合に活用する」という使い方が最も適していると言えます。常にフル乗車を想定しているファミリーには不向きかもしれませんが、ライフスタイルによっては非常に便利な選択肢となり得ます。

購入を検討する際は、実際に3列目シートに座ってみて、ご自身の使用イメージと合うかどうかを確認することが重要です。

前期型と後期型の違いとは?

グランツアラー 前期型と後期型の違い

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BMW 2シリーズ グランツアラーは、2018年6月にマイナーチェンジを実施しており、これ以前のモデルを「前期型」、以降のモデルを「後期型」と呼びます。中古車を選ぶ際には、この前期型と後期型の違いを理解しておくことがポイントとなります。主な変更点は以下の通りです。

エクステリアデザイン

後期型では、フロントマスクのデザインが変更されました。具体的には、BMWの象徴であるキドニーグリルが大型化され、より一体感のあるデザインになりました。また、ヘッドライトの内部デザインも新しくなり、LEDヘッドライトが標準装備(またはデザイン変更)されました。

フロントバンパーもエアインテークが強調された、よりダイナミックな形状に変更されています。ただし、これらの変更は「劇的」というほどではなく、「よく見ると違う」と感じる程度かもしれません。リアデザインに関しては、大きな変更はありません。

インテリアと装備

インテリアでは、後期型でフロントシートの座面クッションのサイズが拡大され、座り心地が若干向上したとされています。また、一部グレードではメーターパネルのデザインが変更されたり、先進安全装備の機能が向上したりしている場合があります。

最も大きな変更点の一つとして、「218i」のトランスミッションが、前期型の6速ATから後期型では7速DCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)に変更されました。

DCTは、よりダイレクトでスポーティな変速フィールが特徴ですが、ミニバンというキャラクターに必ずしもDCTが必要かどうかは、好みが分かれるところかもしれません。

エンジン・走行性能

エンジンラインナップや基本的な走行性能に関しては、前期型と後期型で大きな変更はありません。BMWらしいしっかりとした走りは、どちらのモデルでも楽しむことができます。

中古車価格

一般的に、後期型の方が年式が新しく、改良も加えられているため、中古車価格は前期型に比べて高くなる傾向があります。

前期型と後期型の比較まとめ

項目 前期型 (2015年6月~2018年5月) 後期型 (2018年6月~)
フロントキドニーグリル 従来デザイン 大型化・新デザイン
フロントバンパー 従来デザイン 新デザイン
ヘッドライト 標準的なLEDまたはハロゲン 新デザインLED(より標準化)
218iトランスミッション 6速AT 7速DCT
フロントシート座面 標準サイズ 拡大され座り心地向上
中古車価格帯 比較的安価 やや高め

どちらを選ぶべきかは、予算や何を重視するかによって異なります。「少しでも新しいモデルが良い」「DCTに乗りたい」という方は後期型、「コストを抑えたい」「ATで十分」という方は前期型も魅力的な選択肢となります。

ただし、前述の通り、前期型218iのトランスミッションには注意が必要な場合があるため、車両の状態確認は念入りに行うことをお勧めします。

グランツアラーはなぜ安いか総括

BMW 2シリーズ グランツアラーが中古車市場で比較的安価に見られる理由は、決して車そのものの基本的な出来が悪いからというわけではなく、複数の要因が絡み合っている結果と言えます。この記事で解説してきたポイントをまとめると、以下のようになります。

ニッチな市場ポジショニング
BMWブランドの中では異色のFFベース3列シートMPVであり、ブランドのコアなファン層からの支持が限定的だった

人気薄: 国産ミニバンほどの幅広い人気は獲得できず、結果として中古車価格が落ち着いている

BMWのブランドイメージとのギャップ
スポーティなFR車のイメージが強いBMWにとって、実用性重視のMPVは本流とは言えなかった

国産ミニバンとの競合
実用性や価格面で強力な国産ライバルが多く、差別化が難しかった

3列目シートの実用性
大人にとっては補助的なスペースであり、本格的な7人乗りを求める層には物足りなかった

スライドドア非搭載
ファミリー層にとってスライドドアの利便性は大きく、ヒンジドアはマイナス要素と捉えられることも

生産終了・新型なし
モデルチェンジが行われず生産終了となったため、最新モデルを求める層からの需要が薄い

故障リスクへの懸念
特に前期型218iのトランスミッションなど、一部モデルでの故障報告が価格に影響している可能性

維持費の高さ
輸入車特有の部品代や修理費用の高さが、購入のハードルを上げている側面も

FFレイアウトへの抵抗感
BMW=FRというイメージを持つ層からは敬遠されることも

ターゲット層の限定
「BMWブランドが好きで、かつ3列シートが必要だが、本格ミニバンほどの実用性は不要」という限定的な層に響くモデル

中古車供給量と需要のバランス
人気モデルに比べて需要が穏やかなため、価格が上昇しにくい

デザインの好み
スタイリッシュと感じる人もいれば、BMWらしくないと感じる人もおり、評価が分かれる

燃費性能
ディーゼルモデルは良好だが、ガソリンモデルの燃費やハイオク指定が気になる人も

購入のメリット
上記の理由から、状態の良い車両を比較的安価に入手できるチャンスがある「お買い得」な側面も

これらの理由から、「グランツアラーはなぜ安い」のかという問いに対しては、「特定の層には魅力的ながら、広範な人気を得るには至らなかった結果、中古車市場で手頃な価格になっている」と結論付けられます。

購入を検討する際は、これらの背景を理解した上で、ご自身のニーズと照らし合わせて賢い選択をしてください。