クラウンのエンジンがかからない時のバッテリー・セル・燃料の対処法

クラウンのエンジンがかからない時のバッテリー・セル・燃料の対処法

TOYOTAクラウン公式

クラウンのエンジンが突然かからなくなってしまったら、焦りますよね。電気はつくのにエンジンがかからない、セルは回るのに始動しないなど、状況によって原因はさまざまです。

バッテリー上がりが原因ならジャンピングで解決することもありますが、それ以外のケースでは適切な対処が必要です。

特に、プッシュスタートが反応しない場合や、スマートキーでエンジンがかからないトラブルは多くのオーナーが経験しています。また、セキュリティが影響してエンジンがかからないケースや、それぞれの車種で発生する始動不良もよくある問題です。

さらに、新型モデルでは、ハイブリッドモデル特有の始動不良や、電子制御の影響で予期せぬトラブルが発生することもあり、旧モデルでは、経年劣化による電装系や燃料系のトラブルに注意が必要です。

本記事では、このような、クラウンのエンジンがかからない状況ごとに、原因と対処法を詳しく解説していきます。愛車のトラブルをスムーズに解決するためのヒントになりますので、ぜひ最後までご覧ください。

記事のポイント

  • クラウンのエンジンがかからない主な原因と対処法
  • セルが回る・回らない場合のチェックポイント
  • スマートキーやセキュリティが影響するトラブルの対処法
  • 車種別の特有の不具合と対応策について

クラウンのエンジンがかからない原因と対処法

クラウンのエンジンがかからない原因と対処法

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  • 電気はつくのにエンジンがかからない理由
  • セルは回るのに始動しない場合のチェックポイント
  • セルが回らないときに確認すべきこと
  • スマートキーでエンジンがかからないときの対策
  • 18クラウンのプッシュスタートで始動しない原因
  • セキュリティが影響してエンジンがかからないケース
  • 200系・210系クラウンで起こる始動不良のトラブル

電気はつくのにエンジンがかからない理由

クラウンの電気はつくのにエンジンがかからない理由

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

車の電気系統は正常に動作しているにもかかわらず、エンジンがかからない場合、いくつかの原因が考えられます。まず、この現象が起こる場合、多くのドライバーはバッテリーが問題ないと考えがちですが、実際には電圧不足や接続不良が原因となることもあります。

電気がつくということは、バッテリーの電力は最低限供給されているという証拠ですが、エンジンを回すにはさらに強い電力が必要です。バッテリーの電圧が低下していると、セルモーターが正常に回らず、エンジン始動に必要な動力を生み出せません。そのため、電気はつくがエンジンがかからないという状況になります。

特に、長期間バッテリーを交換していない場合や、冬場の低温環境では、バッテリーの性能が低下しやすいので注意が必要です。

その他の原因としては、イグニッションスイッチの故障や、ヒューズの断線、燃料供給系統のトラブル(燃料ポンプやインジェクターの不具合)も考えられます。これらの問題は専門的な診断が必要になるため、自分で解決できない場合は整備工場やディーラーへの相談を推奨します。

このように、電気がつくのにエンジンがかからない理由は多岐にわたります。まずはバッテリーの電圧やターミナルの接触、セルモーターの動作を確認し、問題がなければ燃料系や電子制御系のチェックを行いましょう。

セルは回るのに始動しない場合のチェックポイント

クラウンのセルは回るのに始動しない場合のチェックポイント

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

セルモーターが回転しているにもかかわらず、エンジンが始動しない場合、いくつかのチェックポイントを押さえておく必要があります。まず、エンジンが燃焼を開始するには、燃料、空気、点火の3つの要素が適切に働くことが重要で、どれか一つでも異常があると、エンジンは動きません。

最初に確認すべきなのは、燃料供給の問題です。燃料ポンプが正常に動作していない場合、燃料がエンジンに供給されず、始動できません。キーを「ON」位置に回した際に、燃料ポンプの作動音(「ウィーン」という音)が聞こえるか確認してみましょう。音がしない場合、燃料ポンプの故障やヒューズ切れが疑われます。また、燃料がタンクに十分に入っているかも確認してください。

次に、点火系統のトラブルです。イグニッションコイルやスパークプラグの劣化により、エンジンに適切な火花が供給されていない場合、燃焼が始まらずエンジンがかかりません。特に、走行距離が10万kmを超えている場合は、スパークプラグの交換時期に達している可能性があります。

また、エアフローメーター(空気流量計)の不具合もチェックすべきポイントです。エンジンは適切な空気と燃料の混合比で燃焼を行いますが、エアフローメーターが故障すると空気量が適切に測定されず、エンジンがかからなくなることがあります。

これらのトラブルは、専門の診断機がないと特定が難しい場合があります。もしセルが回るのにエンジンがかからない状況が続く場合は、燃料、点火、空気の3つの要素を順番にチェックし、異常がないかを確認することが大切です。自己診断で解決できない場合は、整備工場やディーラーでの点検を検討しましょう。

セルが回らないときに確認すべきこと

クラウンのセルが回らないときに確認すべきこと

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セルモーターが回らない場合、エンジンがまったく始動できないため、すぐに原因を特定し適切な対応を取ることが重要です。

まず、最も多い原因として考えられるのは、バッテリー上がりです。バッテリーの電圧が低下していると、セルモーターが動かず、エンジンがかかりません。特に、長期間車を動かしていなかった場合や、寒冷地で使用している場合はバッテリーが弱っている可能性が高いです。

バッテリーが疑われる場合は、ヘッドライトや室内灯の明るさを確認してみましょう。もし明るさが弱かったり、まったく点灯しない場合は、バッテリーの充電不足が考えられます。この場合、ジャンプスターターやブースターケーブルを使って救援車から電力を供給し、エンジンを始動させる方法が有効です。

次に確認すべきなのは、バッテリー端子の接触不良です。バッテリー交換時にターミナルが緩んでいると、電力が適切に供給されず、セルモーターが回らないことがあります。バッテリー端子を一度外して磨いた後、しっかりと締め直してみましょう。

また、セルモーター自体の故障も考えられます。セルモーターが経年劣化すると内部の接点が摩耗し、スムーズに回らなくなることがあります。この場合、セルモーターを軽く叩くと一時的に回ることがありますが、根本的な解決にはならないため、早めの交換が必要です。

その他の可能性としては、シフトレバーが適切な位置にないことや、イグニッションスイッチの故障が挙げられます。オートマ車では、シフトレバーが「P」や「N」になっていないとセルモーターが作動しません。また、イグニッションスイッチが故障していると、キーを回しても電流がセルモーターに流れず、回らないことがあります。

このように、セルが回らないときはバッテリー、ターミナルの接続、セルモーターの状態、シフトレバーの位置を順番にチェックすることで、原因を特定しやすくなります。

スマートキーでエンジンがかからないときの対策

スマートキーでクラウンのエンジンがかからないときの対策

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

スマートキーを使用しているにもかかわらずエンジンがかからない場合、いくつかの原因が考えられます。

まず最初に確認すべきなのは、スマートキーの電池切れです。スマートキーの電池が消耗すると、車両との通信が正常に行われず、エンジン始動ができなくなることがあります。この場合、スマートキーを直接エンジンスタートボタンに近づけて押してみると、一時的に認識されることがあるので試してみましょう。

次に、スマートキーの受信部の問題も考えられます。車両側のアンテナやセンサーが故障していると、スマートキーの信号を正しく受信できず、エンジンが始動できません。また、周囲の電波干渉によって一時的に信号が遮断されることもあります。特に、駐車場の近くに強い電波を発する機器がある場合、正常に作動しない可能性があります。

さらに、ブレーキペダルがしっかり踏まれていないとエンジンがかからないことがあります。プッシュスタート車両では、エンジンを始動する際にブレーキを踏むことが必須です。ペダルセンサーが故障している場合も、車両がブレーキを踏んでいると認識せず、エンジンが始動しないことがあるため、ペダルの踏み込み具合を確認することも重要です。

また、スマートキーの登録が正しくされていないケースもあります。スペアキーを使用している場合や、新たにスマートキーを追加した場合、システムが正しく認識していない可能性があります。この場合、ディーラーや整備工場でスマートキーの再登録を行う必要があります。

以上のように、スマートキーでエンジンがかからない場合は、電池切れの確認、受信障害の有無、ブレーキペダルの踏み込み状態、キーの登録状況を順番にチェックすると、原因を特定しやすくなります。

18クラウンのプッシュスタートで始動しない原因

18クラウンのプッシュスタートで始動しない原因

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18系クラウン(GRS180・GRS182・GRS184など)のプッシュスタート車両でエンジンがかからない場合、考えられる原因はいくつかあります。

まず、最も多いのがバッテリーの電圧低下です。特に、18クラウンは年式が古くなってきているため、バッテリーの劣化が進んでいる車両が多く、電圧が不安定になることでエンジンが始動できなくなることがあります。バッテリー電圧を測定し、12V以下であれば充電や交換が必要です。

次に、プッシュスタートシステム自体の故障も考えられます。18クラウンのプッシュスタートは、ブレーキペダルを踏みながらスタートボタンを押すことでエンジンがかかる仕組みですが、ブレーキスイッチが正常に作動していない場合、エンジンがかかりません。ブレーキランプが点灯するかどうかを確認し、点灯しない場合はブレーキスイッチの交換が必要です。

また、スマートキーの通信不良も原因の一つです。スマートキーの電池が切れている場合や、電波干渉が発生している環境では、プッシュスタートの信号が車両に伝わらず、エンジンが始動しないことがあります。スマートキーをエンジンスタートボタンに直接かざしてみると、通信が改善されることがあるため試してみましょう。

さらに、セキュリティシステムの誤作動によってエンジン始動がブロックされるケースもあります。18クラウンにはイモビライザーが搭載されており、正しいスマートキーが認識されないとエンジンがかかりません。セキュリティランプが点滅している場合は、スマートキーをリセットするか、ディーラーで診断してもらう必要があります。

このように、18クラウンのプッシュスタートでエンジンがかからない場合は、バッテリー、ブレーキスイッチ、スマートキー、セキュリティシステムの順に確認していくと、問題を特定しやすくなり、適切な対応を取ることで、エンジン始動のトラブルを早期に解決できます。

セキュリティが影響してエンジンがかからないケース

クラウンのセキュリティが影響してエンジンがかからないケース

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クラウンには高度なセキュリティシステムが搭載されており、これが原因でエンジンがかからないことがあります。特に、イモビライザーが作動すると、正規のスマートキー以外ではエンジン始動ができなくなります。通常は、正しいキーを使用すれば問題なく始動できますが、キーの認識がうまくいかない場合、セキュリティが解除されずエンジンがかからないことがあります。

イモビライザーが原因の場合、まずはスマートキーのバッテリーを確認しましょう。電池が弱くなっていると、正しく信号が送信されず、車両側がキーを認識しないことがあります。電池を交換し、キーをエンジンスタートボタンに直接かざして試してみると、改善する場合があります。

また、社外製のセキュリティシステムを取り付けている車両では、誤作動が原因でエンジンがかからないことがあります。例えば、ドアロックの解除が正常に行われなかった場合や、リモートスタート機能が誤作動を起こした場合、エンジンの始動がロックされることがあります。この場合は、リモコンのリセットを行うか、システムを一時的にオフにすることで解決することがあります。

さらに、純正のセキュリティシステムが誤作動しているケースもあります。特に、バッテリー交換後や、長期間放置していた車両では、セキュリティシステムが異常を検知し、エンジンがかからなくなることがあります。この場合、スマートキーのロック・アンロックを数回繰り返してリセットするか、ディーラーでシステムのリセットを行う必要があります。

このように、セキュリティが影響してエンジンがかからない場合は、イモビライザー、社外製セキュリティ、純正の誤作動など、複数の要因を考慮する必要があります。状況に応じた適切な対策を取ることで、スムーズにエンジンを始動させることが可能になります。

200系・210系クラウンで起こる始動不良のトラブル

200系・210系クラウンで起こる始動不良のトラブル

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200系や210系のクラウンでエンジンがかからないトラブルは、比較的よく報告されている問題の一つです。特に、これらのモデルは電子制御が多く採用されているため、単なるバッテリー上がり以外の要因でエンジンが始動しないケースも珍しくありません。

まず、最も多い原因の一つは バッテリーの電圧低下です。200系・210系クラウンは電装品が多く、駐車時にも電力を消費しやすい傾向があります。そのため、数日間車を動かさないだけで電圧が低下し、エンジンがかからなくなることがあります。

特に、冬場やバッテリーの寿命が近づいている場合は、さらに症状が出やすくなるので、バッテリーの電圧をチェックし、12V以下になっているようであれば交換や充電が必要です。

また、セルモーターの不良も考えられます。バッテリーの電圧が正常であっても、セルモーターが故障しているとエンジンがかかりません。セルモーターが弱っている場合は、スターターリレーの異常やモーター内部の接触不良が疑われます。スターターを叩いてみると一時的に作動することがあるため、エンジンがかからないときに試してみる価値はあります。

さらに、イモビライザーの誤作動によってエンジンが始動しないこともあります。スマートキーが正常に認識されていないと、セキュリティシステムが作動し、エンジンをブロックしてしまいます。この場合、スマートキーの電池を交換する、スペアキーを試す、またはキーをエンジンスタートボタンに直接かざしてみることで解決することがあります。

これらの問題が発生した場合は、まずバッテリーの電圧をチェックし、セルモーターの動作を確認し、最終的にイモビライザーの状態を確認するという手順を踏むと、スムーズに原因を特定しやすくなります。

クラウンのエンジンがかからないときの車種別ポイント

クラウンのエンジンがかからないときの車種別ポイント

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  • ハイブリッドモデル特有の始動不良
  • クラウンスポーツで発生するエンジントラブル
  • バッテリー上がり時の正しい対処法とつなぎ方
  • 220系・新型クラウンのエンジン始動トラブル
  • アスリート・クロスオーバーで発生するトラブル
  • マジェスタやエステートなどの旧モデルでの注意点

ハイブリッドモデル特有の始動不良

クラウンのハイブリッドモデル特有の始動不良

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クラウンのハイブリッドモデルでは、ガソリン車とは異なる理由でエンジンがかからないことがあります。ハイブリッドシステムは電力を多く使用するため、通常のバッテリーだけでなく、駆動用バッテリーやインバーターのトラブルが影響するケースが多いです。

特に多いのが補機バッテリーの劣化です。ハイブリッド車には通常の12Vバッテリー(補機バッテリー)と高電圧の駆動用バッテリーが搭載されています。補機バッテリーはハイブリッドシステムの起動を担っており、これが劣化すると「READY」ランプが点灯せず、エンジンが始動しないことがあります。

一般的に補機バッテリーの寿命は3~5年程度とされており、長期間交換していない場合はこれが原因の可能性が高いです。

次に考えられるのがインバーターやコンバーターの異常です。ハイブリッド車は、駆動用バッテリーの高電圧を使用してエンジンをかけるため、その電力変換を担うインバーターが故障すると、エンジンが始動しません。この場合、メーター内にハイブリッド異常の警告灯が点灯することが多いので、警告灯が表示されていないか確認することが重要です。

また、センサー系のトラブルもハイブリッド車では無視できません。例えば、高電圧系の異常を検知すると、車両が安全のためにエンジンの始動を制限することがあります。特に、高電圧配線の接触不良や水分の侵入が原因で発生することがあり、エンジンルームの清掃後や雨天後にトラブルが起こる場合は、この可能性が考えられます。

ハイブリッド車の始動不良を防ぐためには、補機バッテリーの定期的な点検・交換、警告灯の確認、駆動用バッテリーの状態チェックを行うことが重要です。問題が発生した場合は、ディーラーや専門の整備工場でハイブリッドシステム専用の診断機を使用して詳細な点検を受けることをおすすめします。

クラウンスポーツで発生するエンジントラブル

クラウンスポーツで発生するエンジントラブル

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クラウンスポーツは最新のハイブリッドシステムを搭載したモデルですが、特有のエンジントラブルがいくつか報告されています。特に、エンジンがしばらくかからないという現象が一部のオーナーから指摘されています。

この問題の主な原因として考えられるのは、ハイブリッドシステムの制御仕様です。クラウンスポーツは基本的にEV走行を優先するため、バッテリー残量が十分な場合はエンジンがかからないことがあります。

しかし、ユーザーが「エンジンをかけようとしているのにかからない」と感じるのは、ハイブリッドシステムの制御によるものか、あるいは何らかの異常が発生しているかを見極める必要があります。

また、駆動用バッテリーの管理システムの影響も考えられます。EVモードからハイブリッドモードに切り替えてもエンジンがすぐに始動しないケースがあるのは、システムがバッテリーの電圧を優先して使用しているためです。この場合、エネルギーモニターやタコメーターを確認し、本当にエンジンがかかっていないのかを見極めることが重要です。

一方で、ソフトウェアの誤作動によってエンジンがかからないこともあり得ます。クラウンスポーツのような最新モデルでは、ECU(エンジンコントロールユニット)の制御プログラムがアップデートされることがあります。もし、エンジンが頻繁にかからない、または不安定な挙動が見られる場合は、ディーラーでソフトウェアの更新が必要かどうか確認してもらうのが良いでしょう。

クラウンスポーツのエンジントラブルを防ぐためには、ハイブリッドシステムの特性を理解して、エネルギーモニターやタコメーターで状態を確認し、異常が疑われる場合は、ECUの診断を受けることで、トラブルの原因を特定しやすくなります。

バッテリー上がり時の正しい対処法とつなぎ方

クラウンのバッテリー上がり時の正しい対処法とつなぎ方

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バッテリー上がりは、クラウンに限らず多くの車で発生するトラブルですが、適切な対処を行うことでスムーズに解決できます。誤った方法で対処すると、バッテリーや電装系に負担をかけるだけでなく、最悪の場合、車の故障につながることもあるため、正しい手順を理解しておきましょう。

まず、バッテリー上がりを疑う場合は、キーを回した際にメーターのランプが点くかどうかを確認しましょう。メーターが暗い、もしくは点灯しない場合はバッテリー上がりの可能性が高いです。また、セルモーターが回らない、あるいは回っても弱々しい音がする場合も、バッテリーの電圧低下が原因と考えられます。

対処方法として最も一般的なのが、ブースターケーブルを使ったジャンピングスタートです。他の車(救援車)とつないでバッテリーの電力を分けてもらい、エンジンを始動させる方法ですが、正しい手順を守らないと故障の原因になるため、注意が必要です。

手順 作業内容
1. 救援車と故障車の準備 両車を近づけ、エンジンを切った状態でブースターケーブルを準備する。
2. 赤いケーブル(+)の接続 故障車のバッテリーの+端子につなぐ。その後、救援車のバッテリーの+端子につなぐ。
3. 黒いケーブル(-)の接続 救援車のバッテリーの-端子につなぐ。その後、故障車のエンジンブロックやボディの金属部分につなぐ(バッテリーの-端子にはつながない)。
4. 救援車のエンジン始動 救援車のエンジンをかけ、数分間待つ。
5. 故障車のエンジン始動 故障車のエンジンをかける。
6. ケーブルの取り外し 接続した順番とは逆に、黒いケーブル(-)を外し、その後、赤いケーブル(+)を外す。

これでエンジンがかからない場合は、バッテリーが完全に寿命を迎えている可能性が高く、新品交換が必要です。また、ジャンピングでエンジンがかかっても、オルタネーターが正常に動作していなければ充電できず、再度エンジンが止まることもあります。その場合は整備工場で点検を受けましょう。

220系・新型クラウンのエンジン始動トラブル

220系・新型クラウンのエンジン始動トラブル

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220系や新型クラウンでは、エンジン始動時に問題が発生するケースが報告されています。これらのモデルは先進的な電子制御が多く組み込まれているため、単純なバッテリー上がり以外の要因が絡んでいることもあります。

特に多いのがスマートキーのトラブルです。スマートキーの電池が消耗していると、車がキーを認識できずエンジンがかからないことがあります。キーの電池を交換する、またはスペアキーを試してみることで解決する場合があります。さらに、スマートキーをスタートボタンに近づけて押すと、一時的に認識されることもあるので試してみると良いでしょう。

また、電子制御システムの誤作動によるトラブルも考えられます。例えば、ブレーキを強く踏んでいないとプッシュスタートが反応しない仕様になっているため、しっかりとブレーキを踏み込んでいるか確認しましょう。それでも始動しない場合は、ECU(エンジンコントロールユニット)のリセットを試すことで改善される場合があります。

その他、オルタネーター(発電機)の故障や燃料ポンプの異常も考えられます。エンジンがかかりかけて止まる、あるいはクランキングはするが始動しない場合は、燃料供給系のトラブルが疑われます。この場合は整備工場での診断が必要です。新型クラウンは電子制御が複雑なため、従来のトラブルシューティングだけでは解決しないケースもあり、専門的な診断を受けることが望ましいでしょう。

アスリート・クロスオーバーで発生するトラブル

クラウンアスリート・クロスオーバーで発生するトラブル

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クラウンアスリートやクラウンクロスオーバーでは、それぞれ異なるトラブルが発生することがあります。アスリートはスポーツ志向のモデルであるため、高出力なエンジンが搭載されており、それに関連したトラブルが多いのが特徴です。一方、クロスオーバーは新しいボディ形状とハイブリッドシステムを採用しているので、電子制御系の不具合が発生することがあります。

クラウンアスリートでは、走行距離が10万キロを超えたあたりからセルモーターの磨耗が進み、突然エンジンがかからなくなることがあります。セルモーターはエンジンを始動させる重要な部品であり、劣化するとスターターの回転力が低下し、始動トラブルが発生します。

また、スロットルボディが汚れると、スロットルバルブの動作が鈍くなり、アイドリング不調やエンジンのかかりが悪くなることがあります。特に、アスリートは高回転域を多用することが多く、燃料ポンプにかかる負担も大きくなります。その結果、燃料ポンプが劣化すると燃料供給が不安定になり、エンジンの始動不良につながることがあります。

一方で、クラウンクロスオーバーではハイブリッドシステムを搭載しているため、補機バッテリーの電圧が下がるとハイブリッドシステムが起動せず、エンジンがかからなくなるケースが発生します。通常のガソリン車と異なり、ハイブリッド車は補機バッテリーと駆動用バッテリーの両方が正常に機能する必要があるため、バッテリー管理が非常に重要です。

また、多数の電子制御センサーが搭載されているため、センサーの誤作動によってエラーコードが発生し、エンジンが始動しないケースもあります。特に、ブレーキペダルセンサーやイモビライザー関連のセンサーが誤作動を起こすと、車両がエンジンを始動できない状態になることがあるため、診断機を使用したトラブルシューティングが必要になります。

アスリートとクロスオーバーのどちらのモデルにおいても、定期的な点検と適切なメンテナンスを行うことで、トラブルのリスクを軽減できます。特に、エンジンの始動トラブルは予兆が現れることが多いため、異常を感じたら早めに対処しましょう。

マジェスタやエステートなどの旧モデルでの注意点

クラウンマジェスタやエステートなどの旧モデルでの注意点

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クラウンマジェスタやクラウンエステートなどの旧型モデルは、シンプルなメカニズムを持つ一方で、経年劣化によるトラブルが発生しやすい点に注意が必要です。特に、電装系や燃料系の不具合はエンジン始動に影響を及ぼすため、定期的な点検を怠らないことが推奨されます。

まず、オルタネーター(発電機)の故障 によるバッテリー上がりが挙げられます。オルタネーターが正常に発電しないと、バッテリーが充電されず、エンジンがかからなくなることがあります。走行中にヘッドライトの光が弱くなったり、バッテリー警告灯が点灯したりする場合は、早めに点検を受けることをおすすめします。

次に、イグニッションコイルの劣化です。クラウンマジェスタやエステートに限らず、旧型車両ではイグニッションコイルの寿命が原因でエンジンがかかりにくくなることがあります。特に、アイドリングが不安定になったり、加速が鈍くなったりする場合は、点火系のトラブルを疑うべきでしょう。

また、燃料ポンプの劣化にも注意が必要です。燃料ポンプが正常に作動しないと、燃料が適切に供給されず、エンジンがかからなくなる可能性があります。走行距離が10万キロを超えている車両では、燃料ポンプの交換を視野に入れることが大切です。

さらに、旧型クラウンは部品供給の問題も考慮する必要があります。特に、クラウンエステートのような希少モデルでは、交換部品の入手が困難になりつつあります。部品の確保が難しくなる前に、定期的なメンテナンスを行い、消耗品の交換を早めに済ませると良いでしょう。

このように、旧型クラウンは頑丈な作りが特徴ですが、経年劣化によるトラブルが発生しやすい傾向にあります。特に電装系や燃料系の異常がエンジン始動不良の原因となることが多いため、日頃からの点検と予防整備を徹底することで、安心して長く乗り続けることができます。

総括:クラウンのエンジンがかからない理由

記事のポイントをまとめます。

バッテリーの電圧不足が原因でエンジンがかからないことがある

燃料ポンプの故障により燃料が供給されず始動しない場合がある

イグニッションコイルやスパークプラグの劣化が点火不良を引き起こす

セルモーターの摩耗や故障によりクランキングができなくなることがある

スマートキーの電池切れや通信不良でエンジンがかからないことがある

シフトレバーが適切な位置にないとエンジンが始動しない

イモビライザーの誤作動によりエンジンがロックされることがある

ハイブリッド車では補機バッテリーの劣化が始動不良の原因となる

エアフローメーターの異常で適切な空気量が確保できずエンジンが始動しない

ブレーキスイッチの故障でプッシュスタートが機能しない場合がある

センサー類の誤作動がエンジン始動を妨げるケースがある

ECUの不具合やソフトウェアのバグが始動トラブルを引き起こすことがある

電波干渉によりスマートキーが正常に作動しないことがある

バッテリー端子の接触不良が原因でセルモーターが回らない場合がある

社外セキュリティの影響でエンジンがかからないことがある