ベントレーとロールスロイスの違いは?似てる2台の魅力を探る

ベントレーとロールスロイスの違いは?似てる2台の魅力を探る

ベントレー公式

ベントレーとロールスロイス、この二つの名を耳にしたとき、あなたはどんなイメージを抱きますか?似てると感じつつも、その違いが何なのか、はっきりとは分からないかもしれません。憧れの高級車であるからこそ、購入後に失敗や後悔したくないという不安もあるのではないでしょうか。

この記事では、そんなあなたの疑問にお応えします。歴史と現在の関係性、それぞれのエンブレムに込められたブランド哲学から、ベントレーの価格や中古市場、車種の違いから見る両車の値段、そして高級車としての存在や地位、さらにはマイバッハとも比較。

なぜ「幽霊」と名付けられた車種があるのか、ロールス・ロイスの兄弟車や日本車で似ているモデルはあるのか、徹底的に深掘りしていきます。

記事のポイント

  • 歴史的背景と現在の立ち位置
  • 両ブランドの価格帯や中古市場の傾向
  • エンブレムや車種に見るブランド哲学
  • 自身のライフスタイルや価値観に合った選び方

ベントレーとロールスロイスの違い:似てるのになぜ異なるのか?

ベントレーとロールスロイスの違い:なぜ似てるのに異なるのか?

ベントレー公式

  • 歴史と現在の関係性
  • 似てるけど違う点は何?
  • 高い理由と故障率の不安
  • ロールス・ロイスとベントレーの傘下
  • エンブレムに込められたブランド哲学
  • ベントレーの価格と中古市場

歴史と現在の関係性

ベントレーとロールスロイス歴史と現在の関係性

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ベントレーとロールスロイスは、かつて同じグループの傘下にあった歴史を持つため、互いに似ていると感じる人が少なくありません。

ロールスロイスがベントレーを吸収合併したのは1931年のことでした。この買収により、ベントレーはロールスロイスのスポーツモデルという位置付けで生産されるようになります。そのため、長らく同じプラットフォームやエンジンを共有する「兄弟車」のような関係が続いていました。

しかし、1998年にロールスロイスの自動車部門が売却される際に、BMWとフォルクスワーゲン(VW)の間で激しい買収合戦が繰り広げられます。

最終的に、ロールスロイスブランドはBMWが、そしてベントレーブランドとクルー工場はVWがそれぞれ取得することになりました。この結果、2003年以降、両ブランドは完全に独立した道を歩み始め、現在では、それぞれが独自の技術と哲学に基づいた車両開発を行っており、かつてのような密接な兄弟関係は解消されています。

似てるけど違う点は何?

ベントレーとロールスロイス似てるけど違う点は何?

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ベントレーとロールスロイスは、どちらもイギリス発祥の超高級車という点で似ていると感じるかもしれません。しかし、その根底にあるブランド哲学やターゲット層には明確な違いがあります。

ロールスロイスは「究極の静粛性と快適性」を追求し、後部座席で過ごす時間を重視するショーファードリブンカーとしての地位を確立してきました。具体的には、まるで魔法の絨毯に乗っているかのような滑らかな乗り心地や、外界と完全に遮断されたかのような静寂な室内空間を提供することに注力しています。

一方、ベントレーは「パフォーマンスとラグジュアリーの融合」をコンセプトとしています。つまり、オーナー自身がステアリングを握り、ドライビングの楽しさを存分に味わえる「ドライバーズカー」としての側面が強調されています。

パワフルなエンジン性能とスポーティなハンドリングを持ちながらも、最高級の素材を惜しみなく使用した豪華な室内空間は維持しており、運転する喜びと快適な移動を両立させている点が特徴です。

高い理由と故障率の不安

ベントレーとロールスロイスの高い理由と故障率の不安

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ベントレーもロールスロイスも、一般的な自動車と比較して非常に高価なのは、その製造過程において職人の手作業による部分が多く、最高級の素材が惜しみなく使われているからです。

例えば、内装に使われるウッドパネルやレザーは厳選されたものであり、熟練の職人が時間をかけて加工・取り付けを行います。また、車両一台一台が顧客の要望に合わせてカスタマイズされるビスポークプログラムも、価格を押し上げる要因となります。

高級車であるため、故障率が低いと思われがちですが、複雑な電子制御システムや高性能なメカニズムを搭載していることから、定期的なメンテナンスや予期せぬ故障が発生する可能性もゼロではありません。

特に、輸入車であるため部品の取り寄せに時間がかかったり、専門の技術を持つメカニックが限られたりすることから、修理費用が高額になる傾向があります。購入を検討する際は、車両価格だけでなく、維持費や万が一の故障時の費用も考慮することが重要です。

ロールス・ロイスとベントレーの傘下

ロールス・ロイスとベントレーの傘下

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

前述の通り、ロールスロイスとベントレーは現在、それぞれ異なる自動車メーカーの傘下に入っています。ロールスロイスはドイツのBMWグループに属しており、その技術力や生産ノウハウを享受しています。これにより、伝統的な高級感を保ちつつ、最先端の技術を積極的に取り入れることが可能になっています。

一方、ベントレーは同じくドイツのフォルクスワーゲン(VW)グループの傘下です。VWグループは多岐にわたるブランドを擁しており、ベントレーはその中で高性能ラグジュアリーブランドとしての地位を確立しています。

グループ内の技術や部品を共有することで、開発コストを抑えつつ、高い品質とパフォーマンスを実現していると言えます。それぞれの親会社が持つ強みが、現在のロールスロイスとベントレーの製品開発やブランド戦略に大きな影響を与えています。

エンブレムに込められたブランド哲学

ロールス・ロイスとベントレーのエンブレムに込められたブランド哲学

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ベントレーとロールスロイスのエンブレムには、それぞれのブランドが持つ哲学や歴史が象徴的に表現されています。ロールスロイスのボンネットには「スピリット・オブ・エクスタシー」と呼ばれる、翼を広げた女性の像が取り付けられています。

このエンブレムは、優雅さ、静寂、そして無限の可能性を表現しており、創業者のチャールズ・ロールズが求めた「完璧な静寂と究極の快適性」というブランド理念を体現しており、エンジン始動とともに格納されるギミックも、その特別感を際立たせています。

対してベントレーのエンブレムは、中央に「B」の文字が配され、その両側に翼が広がる「フライングB」です。この翼は、ベントレーがモータースポーツで培ってきたスピード、パフォーマンス、そして自由な精神を象徴しています。

かつてル・マン24時間レースで数々の勝利を収めた歴史を持つベントレーにとって、このエンブレムは「運転を楽しむための高級車」というブランドのアイデンティティを明確に示しており、エンブレムを見るだけでも、両ブランドの目指す方向性の違いが伝わってきます。

ベントレーの価格と中古市場

ベントレーの価格と中古市場

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ベントレーの新車価格は、モデルやカスタマイズの有無によって大きく変動しますが、一般的に2,000万円台後半から4,000万円台に設定されています。

例えば、主力モデルである「コンチネンタルGT」や「フライングスパー」は、2,000万円台後半から3,000万円台が中心価格帯です。SUVモデルの「ベンテイガ」になると、より高価になり、4,000万円を超えるモデルも存在します。

ロールスロイスと比較すると、新車時の価格帯はやや手の届きやすい印象を受けるかもしれませんが、それでも一般的な国産車とは一線を画す、まさしく超高級車の領域に位置しています。

一方で、ベントレーの中古市場を見ると、新車時の価格から大幅に値下がりする傾向が見られます。特に、年式が古くなると、わずか数年で新車価格の半分以下になることも珍しくありません。

この現象は高級車全般に共通する点ですが、ベントレーの場合、その傾向が顕著に出ることがあります。主な理由としては、新型モデルの登場サイクルが比較的早く、技術の進化が速いため、旧型モデルの価値が下がりやすいことが挙げられます。

また、高性能エンジンを搭載しているモデルは燃費が良くない場合が多く、維持費も高額になるため、限られたオーナー層にしか需要が集中しないことも影響しています。

しかし、この中古市場の動向は、見方を変えれば、憧れのベントレーを比較的リーズナブルな価格で手に入れるチャンスがあることを意味します。例えば、一世代前のコンチネンタルGTであれば、新車価格の数分の一で購入できるケースも見受けられます。

中古車を選ぶ際の注意点

中古車を選ぶ際の注意点としては、車両の状態や走行距離はもちろんのこと、正規ディーラーでのメンテナンス履歴がしっかりと残っているかを確認することが極めて重要です。

高品質な高級車であるとはいえ、適切な整備がなされていない車両は、後々の修理費用が高額になるリスクを伴います。特に、複雑な電子制御システムや特殊な部品が多く使われているため、専門的な知識を持った整備士による定期的な点検が不可欠です。

以下に、主要モデルのおおよその新車価格と中古価格の傾向を示します。

モデル名 新車価格帯(概算) 中古価格帯(概算) 備考
コンチネンタルGT (V8/W12) 2,700万円~3,800万円 500万円~2,000万円 年式や走行距離で大きく変動
フライングスパー (V8/W12) 2,900万円~4,000万円 700万円~2,500万円 セダンタイプ、比較的安定
ベンテイガ (V8/W12/Hybrid) 2,600万円~4,500万円 1,000万円~3,000万円 SUV人気で中古も高め傾向

上記の表はあくまで目安であり、車両のコンディション、オプション装備、年式、走行距離、市場の需給バランスによって価格は大きく変動します。購入を検討する際は、複数の販売店で比較検討し、信頼できる情報源から最新の市場価格を確認することが大切です。

ベントレーとロールスロイスの違いは何か?似てるようで異なる特徴

ベントレーとロールスロイスの違いは何か?似てるようで異なる特徴

ベントレー公式

  • 高級車としての存在や地位
  • マイバッハとの価格や車種の比較
  • なぜ「幽霊」と名付けられたのか?
  • ロールス・ロイスみたいな日本車
  • 車種の違いから見る両車の値段
  • ロールス・ロイスの兄弟車は?

高級車としての存在や地位

ベントレーとロールスロイスの高級車としての存在や地位

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ロールスロイスは、単なる高級車という枠をはるかに超え、「究極のステータスシンボル」として世界中で広く認知されています。その存在自体が、富と権威、そして比類なき成功を象徴するものとして、世界各国の王室、国家元首、そして名だたる企業の経営者など、文字通り世界のエリート層に選ばれてきました。

これは、創業以来一貫して「The Best Car in the World(世界最高の車を作る)」という揺るぎない哲学を貫き、品質、快適性、そして独創性を妥協なく追求してきた揺るぎない結果と言えるでしょう。特に、その荘厳な佇まいや、静謐な室内空間は、乗る者に唯一無二の体験を提供し、その地位を不動のものとしています。

一方、ベントレーも疑いようもなく高級車ではありますが、ロールスロイスとは異なる独自の地位を確立しています。ベントレーの核となるのは、スポーツ性能とラグジュアリーを兼ね備えた「ドライバーズカー」という側面です。

これは、単に後部座席でくつろぐだけでなく、オーナー自身がステアリングを握り、ドライビングの歓びを存分に味わいたいと考える富裕層や、よりアクティブなライフスタイルを持つ層に強く支持されています。ベントレーは、かつてル・マン24時間レースで輝かしい戦績を残した歴史を持ち、そのDNAは現代のモデルにも脈々と受け継がれています。

格式高さは持ちつつも、日常使いやスポーティな走行にも適していることから、ロールスロイスが提供する「静けさの中の豪華さ」とは異なる、「走りの楽しさを伴う豪華さ」という魅力を放っています。

これにより、市場において独自のニッチを確立し、単なる移動手段ではない、運転する喜びをもたらす高級車としての揺るぎない存在感を放っています。両ブランドはそれぞれ異なる道を歩みながらも、その地位は高級車市場において、どちらも唯一無二の存在として君臨しています。

マイバッハとの価格や車種の比較

ベントレーとロールスロイスとマイバッハとの価格や車種の比較

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ベントレー、ロールスロイスに並ぶ超高級車ブランドとして、メルセデス・ベンツのサブブランドであるマイバッハがあります。これら3つのブランドは、それぞれ異なるアプローチで高級車市場に参入しています。

マイバッハは「究極のメルセデス・ベンツ」という位置付けであり、Sクラスをベースにさらなる豪華さと快適性を追求したモデルが中心です。後席の快適性を最優先するショーファードリブンとしての要素が強く、最先端の技術と洗練されたデザインが特徴です。

価格帯を見ると、一般的にマイバッハはロールスロイスやベントレーよりもやや低めに設定されていることが多いです。しかし、カスタマイズの度合いによっては、その価格も大きく上昇します。車種の多様性では、セダンやSUVが中心で、クーペやオープンカーは限定的です。

ブランド名 主要な特徴 価格帯(概算) 主な車種タイプ
ロールスロイス 究極の静粛性、快適性、ショーファードリブン 4,000万円~1億円以上 セダン、SUV、クーペ、オープン
ベントレー スポーツ性能とラグジュアリーの融合、ドライバーズカー 2,500万円~4,500万円 セダン、SUV、クーペ、オープン
マイバッハ メルセデス・ベンツの最上級、洗練された快適性 2,000万円~5,000万円 セダン、SUV

なぜ「幽霊」と名付けられたのか?

なぜロールスロイスは「幽霊」と名付けられたのか?

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ロールスロイスの代表的なモデルの一つに「ファントム」があります。この「ファントム」という名前は、「幽霊」や「幻」を意味します。一見すると不気味に感じるかもしれませんが、これにはロールスロイスの追求する究極の静粛性と滑らかな走行性能が込められています。

ファントムは、エンジンがかかっていることすら気づかないほどの静けさ、そして路面の凹凸をほとんど感じさせない滑らかな乗り心地を実現しています。まるで幽霊のように、気配を感じさせずに移動する。この「存在を感じさせない」という点で、最高の褒め言葉として「ファントム」と名付けられました。

また、ロールスロイスには「ゴースト」という車種もあります。この名前は、1906年に製造された「シルバーゴースト」という歴史的な名車に敬意を表して名付けられました。

シルバーゴーストもその静粛性と滑らかな走行性能で「世界最高の車」と評され、その名が幽霊のように静かな存在感を示していたことから、現代の「ゴースト」にもその精神が受け継がれています。

2021年モデルのゴーストも、ファントム同様に静寂性と快適性を追求したモデルとして人気を集めています。これは、単なる移動手段ではなく、乗員に極上のリラックスと非日常的な体験を提供しようとするロールスロイスの哲学を物語っています。

ロールス・ロイスみたいな日本車

ロールス・ロイスみたいな日本車

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

「ロールス・ロイスみたいな日本車」という言葉で思い浮かぶのは、やはりトヨタのセンチュリーです。センチュリーは、日本の自動車産業が誇る最高峰のモデルであり、日本の皇室や政府要人、各界のトップエグゼクティブが公用車や社用車として長年愛用しています。このことが、センチュリーが単なる移動手段ではない、特別な存在であることを明確に示しています。

センチュリーは、ショーファードリブンとしての使用が前提とされており、後部座席の乗員が最高の快適性を享受できるよう設計されており、具体的には、徹底的な静粛性の追求が挙げられます。

走行中のロードノイズやエンジン音を極限まで抑えるために、厚い遮音材の使用や、特別に設計されたサスペンションシステムが採用され、シートは長時間の移動でも疲れを感じさせないよう、人間工学に基づいた形状と、上質な素材で仕上げられています。

さらに、センチュリーの内装は、日本の伝統的な美意識と職人の技が融合した芸術品です。例えば、木目パネルは厳選された天然木材を使用し、熟練の職人が手作業で加工を施します。

シートの素材には、最高級のウールや本革が用いられ、手縫いのステッチなど、細部にわたるこだわりが感じられます。このように、一台一台が丁寧に作り上げられるプロセスは、ロールスロイスのビスポーク(オーダーメイド)に通じるものがあります。

もちろん、ブランドの歴史やグローバルでの展開規模、そして手作業の比率など、ロールスロイスとは異なる点は多々あります。しかし、「おもてなし」の精神を具現化した後席優先の設計思想、そして静かで快適な移動空間を提供するという点では、センチュリーはロールスロイスにも通じる、独自の哲学と高級感を確立しています。

これは、単に豪華であるだけでなく、乗り手のニーズに深く寄り添うという点で、日本が世界に誇る高級車の姿を示していると言えます。

車種の違いから見る両車の値段

ベントレーとロールスロイス車種の違いから見る両車の値段

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ベントレーとロールスロイスは、それぞれ異なる車種ラインナップを持っており、それがそのまま値段の違いに表れています。

ロールスロイスは、セダンの「ファントム」「ゴースト」、SUVの「カリナン」、そして生産終了モデルであるクーペの「レイス」やオープンカーの「ドーン」などを展開しています。

これらのモデルは、その全てが究極のラグジュアリーを追求しており、一台一台がビスポーク(オーダーメイド)に対応するため、価格帯は非常に高額です。特にファントムは、最も高価なモデルであり、その値段は数千万円から1億円を超えることも珍しくありません。

一方、ベントレーは、セダンの「フライングスパー」、クーペの「コンチネンタルGT」、オープンカーの「コンチネンタルGTC」、そしてSUVの「ベンテイガ」などを展開しています。これらのモデルは、スポーティな走行性能とラグジュアリーを両立させており、ロールスロイスよりは全体的に価格が抑えられています。

しかし、高性能エンジンや豪華な内装、豊富なカスタマイズオプションにより、十分な高級感を備えています。同じ高級車ブランドでありながらも、それぞれの車種ラインナップと価格設定は、ブランドの目指す方向性、つまり「ショーファードリブン」か「ドライバーズカー」かという違いを明確に反映しています。

ロールス・ロイスの兄弟車は?

ロールス・ロイスの兄弟車は?

ラグジュアリーモーターズ・イメージ

ロールス・ロイスの「兄弟車」という言葉は、主に過去の歴史的背景から使われることがあります。前述の通り、1931年から1998年までベントレーはロールス・ロイスの傘下にありました。

この期間、両ブランドは多くのモデルでプラットフォームや主要コンポーネントを共有していたため、ベントレーは事実上ロールス・ロイスの兄弟ブランド、あるいはスポーティな派生モデルという位置付けでした。

例えば、1950年代から1960年代にかけて生産された「ロールス・ロイス・シルバークラウド」と「ベントレーSタイプ」は、外観や内装の細部に違いはあれど、基本的な車体構造やエンジンは共通していました。そのため、この時代のベントレーは「ロールス・ロイスの兄弟車」として認識されていました。

しかし、2003年以降、ロールス・ロイスがBMWの傘下となり、ベントレーがフォルクスワーゲンの傘下となったことで、両ブランドは完全に別々の道を歩み始めました。

現在生産されているモデルにおいては、プラットフォームやエンジン、技術的な共有は一切ありません。そのため、現在の意味では「兄弟車」と呼ぶことはできませんが、過去の深い関係性から、現在でも「似てる」と感じる人が多いのは、そうした歴史的なつながりが背景にあると言えるでしょう。

総括:ベントレーとロールスロイスの違いと似てる点について

この記事では、ベントレーとロールスロイスの違いや似ている点について多角的に解説しました。

ベントレーとロールスロイスは、かつて同じ傘下にあり、兄弟車のような関係性

現在はそれぞれ異なる親会社(BMWとフォルクスワーゲン)の傘下で独立

ロールスロイスはショーファードリブン、ベントレーはドライバーズカーという哲学を持つ

エンブレムの「スピリット・オブ・エクスタシー」と「フライングB」がそれぞれの哲学を象徴

両ブランドとも職人の手作業や最高級の素材が惜しみなく使われるため、価格は非常に高い

故障については、複雑な機構を持つ高級車ゆえにメンテナンス費用が高額になる傾向

ロールスロイスの「ファントム」は、その静粛性から「幽霊」と名付けられた

「ゴースト」という車種も、歴史的な名車「シルバーゴースト」に由来し静粛性を追求

ロールスロイスは「究極の高級車」としての地位を確立し、ステータスシンボルである

マイバッハも高級車だが、メルセデス・ベンツの最上級ラインという位置付け

日本車ではトヨタ センチュリーが「和製ロールス・ロイス」と称される

ベントレーは新車価格で2,000万円台から、ロールスロイスは4,000万円台からと値段が異なる

中古市場では、ベントレーの方が新車からの値下がり幅が大きい傾向

両車の車種の違いは、それぞれのブランドが重視する要素によって大きく異なる

どちらを選ぶかは、運転する楽しさを求めるか、究極の快適性を求めるかで判断する

自身のライフスタイルや価値観に合った一台を見つけることが重要